冬の標 乙川優三郎著
幕末の激動期に、自分の人生を生き抜いた女性のダイナミッ クな半生が描かれている。人はなぜ生きるかを「絵画を生きがいとする女性」と「しきたり」を通じて語りかけるいい本だった。
絵画を志し、絵に生きる決意をした主人公明世を襲う、「しきたり」。
結婚は女の幸せと疑わぬ両親。家を守るのは女の義務と信じる姑と姑。それでも絵をあきらめず、葛藤する明世。
その両親や姑も、人生の終わりには「人としての生きる意味」を悟り、明世に伝える。 心動かされるものがあった。
幼馴染とのほのかな恋も、時代の動乱の中で幕府派と尊王派との確執が藩内でも発生し、明世の人生を狂わす。
幸せとは何かを語り掛けてくる本だった。
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