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2006年2月 7日 (火)

地下鉄に乗って 浅田次郎著

私の評価 ◎ 2006年2月読書tikatetsuni_notte

「思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド」の裏書に釣られて買った。まさに浅田ワールド。面白かった。

父との確執が原因で若くして家を出た主人公真治。苦労しながらも家庭を築き地道に生きてきた中年真治が、地下鉄の階段を上がると、そこは30年前の世界。
人生を終えようとしている父。真治に会いたがる父。それをかたくなに拒否する真治に起こったタイムトラベル。やがて不倫相手の同僚みち子を巻き込み現在と過去へのタイムトラベルを繰り返す。
父の過去を知るとともに、全く予想外の展開が続く。浅田さんらしいタイムトラベル小説だった。

突然のタイムトラベル。その話をみち子と母、そして社長が信じる。過去で自分の信念に忠実に生きる父、そして父を取り巻く人々もまた、身も知らぬ真治を信じる。 現代の殺伐とした人間関係とは全く異なる世界が広がる。読んでいて心地よかった。

父子の確執。子供を育てるために、子供に自分の夢をのせ、必死に働く父親。子供はそんな父の一面しか見えない。 確執まで行かなくても、こんな行き違いは多くの家庭で起きているだろう。 子供には今の父しか見えないから当然かもしれない。タイムトラベルで、そんな自分に気付く。

そして、みち子・・・・
こんなタイムトラベルを引き起こしたのは誰だろうか? 

過去の生き生きとした世界を、まるで映像のように描かれており、自分が旅行しているような錯覚に陥る。違った意味でも楽しい小説だった。

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コメント

コメントありがとうございます。
浅田さんの小説は、自然に物語りに引き込んでくれて、本当に心地いい気分を味わいます。読んだのは少し前だったので、また思い出して浸ってしまいました。

投稿: sand-harmony | 2006年2月 7日 (火) 21時29分

はじめまして、夕凪さん。ほんとうに素敵なハンドル名をお持ちですね。そして、ようこそおいでくださいました!夕凪さんのブログも、とても興味深く拝見させていただきました。
正直に申し上げると、ブログの経験が浅いため、「TB??」「聞いたことあるけれど、このようなお願いされるの初めてだよ~」とうろたえつつ、TBについて調べておりました。(大袈裟ですね・・・)もちろん、OKです!こちらも、これからもちょくちょくお邪魔させていただきますね。また新しい「出会い」があって、嬉しいです。よろしくお願いいたします!!

投稿: clockwork | 2006年2月 8日 (水) 08時20分

clockworkさん コメントありがとうございます。私も昨年の10月から「備忘録」のつもりで始めました。
でもチリも積もれば・・で、ずい分書き込みも増えブログらしくなってきました。だんだん出会いが増えていくといいなと思ってます。 よろしくお願いします。

投稿: 夕凪 | 2006年2月 8日 (水) 21時35分

こんにちは。TBさせていただきました。よろしくお願いします!!

投稿: clockwork | 2006年2月 9日 (木) 11時45分

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» 「地下鉄に乗って」  追記 [NEVERLAND]
最近僕の周りでも「白夜行」を手にしている人をよく見かける。ドラマの影響もあると思うが、手にした人なら原作の執筆力に強く惹かれること間違いないだろう。なんといってもあれだけ分厚い小説が、あっという間に読み終わってしまうのだから・・・ 「地下鉄に乗って」の読後感を一言。主人公の喪失感が、ふと、東野圭吾さんの「秘密」と重なった。一瞬、「あれ、同じ作者だったっけ??」なんて。「白夜行」ブーム(?)にのっかり、「秘密」、読み返し�... [続きを読む]

受信: 2006年2月 9日 (木) 11時41分

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