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2006年3月12日 (日)

海の仙人 絲山秋子著

私の評価 ◎ 2006年3月読書

川端康成文学賞を受賞した期待の新鋭の初長編とのこと。一気に読んでしまった。
社会に適応できず一人暮らしする主人公「河野」と二人の女友達「かりん」「片桐」との話。そこにファンタジーと呼ばれる神様が絡んできて、不思議な世界を形成している小説。読んでいて、ふんわりとした暖かな風を感じた。

誰しも過去に負った心の傷を背負っており、そこから抜け出せない。その孤独にファンタジーが答える。愛するかりんを失って、苦悩することで初めて過去から開放される河野。 河野に対して転勤を機に閉ざした心を一旦は開いたかりん。でも余命半年の宣告を受けてやっと開放される。 河野を愛するが飛び込めない片桐。でも最後は・・

著者の優しさだろうか、彼らの心の動きをファンタジーを交えて、優しく捉え展開している。
かりんを失って感じる「自責感」。愛する人を失うと誰でもそうなるのだろうと思う。でも時が忘れることを教える。 そんな目には合いたくないが、誰しも避けられない。

いい本だった。

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