« またやっちゃった(笑) | トップページ | 月桂樹の花 »

2006年4月22日 (土)

国家の品格 藤原正彦著

私の評価 ◎ 2006年4月読書 

入院中の書店で手に取り、冒頭の「はじめに」を読み、これは面白いと購入。後で、ベストセラーになっていると知った。

著者の米国、英国そして日本での生活を通して得た、国家論、人格論を本音で展開しており、共感できる部分も多かった。
ベストセラーになり、多くの人が読んだと思うと、良かったと思う。著者の意見に同意するかどうかはともかく、少なくとも、読むとこによって今の日本と自分自身に考えをはせただろうから。

著者は『論理判断は出発点が異なると、異なる結果になる。その出発点となるのはその人の「情緒」であり、論理以前の「人としての総合力」であるという。』まさにその通りだと思う。
その総合力を養うために、基礎教育論、武士道、惻隠の情、芸術、郷土の美しさ等独自の論理を展開している。

イラクに対する国際貢献について、『本気で世界に貢献したいのなら、「イラクの復興は、イスラム教にどんなわだかまりもない日本がすべて引き受けよう。そのために自衛隊を10万人と民間人を1万人送るから、他国の軍隊はすべて出て行け」くらいのことは言えなくてはいけない』と述べている。 溜飲が下がる思いである。
自衛隊はともかくも、国際社会ではこれくらいの主張をしないと、日本という国は尊敬されない。

平山郁夫の「三聖人 平和の祈りを」ご存知だろうか? 「一神教であるキリスト教やイスラム教に対し、融和の精神で呼びかける仏教の聖人の祈りを表現した絵」で、まさに上記と同じことを言っている。 生口島の平山郁夫美術館で見た時に感動したのを思い出した。

バブルが弾けてから、一気にグローバル化の波が押し寄せてきた。でもこれは、アングロサクソンそれも米国スタンダードであり、決してグローバルスタンダードではない。ここに今の世界の不幸がある。
自由、民主主義の押し付けが、イラクの不幸を招いたし、これからのアラブ・イスラム社会の不安定さを招く。

経済でもそうだ。弱肉強食で、世界で1,2位にならないと勝ち残れない。それも「株主のため」というとんでもない基準で。その結果が、能力主義であり、賃金の引き下げに繋がっている。
下図は日経新聞からの転記だが、世界1になったスーパーの従業員の現状だ。大企業になったにもかかわらず、年収は半分以下、そのため医療保険加入率も低い。全米の小売業平均と比較しても、年収、加入率とも低い。
これでは勝ち残れるのは当然だけど、何のための会社か分からない。 従業員のため、地域社会のためがあって、最後に株主のためで有るべきだ。

Wolmart_1_1 

|

« またやっちゃった(笑) | トップページ | 月桂樹の花 »

コメント

皆さんのオススメ本でしたから、
とうとう読み始めました。
自由・平等・民主主義を疑う・・のところを読んで
「うんうんそうそう。。」とうなずきっ放しです。
この本がベストセラーになったということは、
こういうことに関心のある人がまだまだ沢山いるということだから、
良かったと思います。

投稿: miriam; | 2006年4月23日 (日) 09時17分

是非、miriamさんの感想を聞きたいですね。 待ってます

投稿: 夕凪 | 2006年4月23日 (日) 18時46分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/147658/9711128

この記事へのトラックバック一覧です: 国家の品格 藤原正彦著:

« またやっちゃった(笑) | トップページ | 月桂樹の花 »