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2006年5月24日 (水)

ICO 霧の城 宮部みゆき著

私の評価 ○ 2006年5月読書

彼女の作品の中では異色の本だった。これほどまでの転換が出来るとは流石に宮部さんだと感心しながら読んだ。しかし、後書きで「プレステのゲームICOをもとにノベライズしたもの」と書かれてあり、少しがっかりした。
しかし、小説として、すばらしいものになっている。

宮部さんがこの小説に込めたものはなんだろうか? 一つはゲームその物にあった奇想天外な物語性であろうか。読み始めたら、あっという間に物語の世界に入り込んでしまった。友情、親子の愛、テーマは色々ある。

物語は途中から、主人公の少年の心を通して「太陽神が支配する善の世界」と「暗黒神が支配する悪の世界」の葛藤になる。
悪の世界を壊そうと必死で頑張る主人公の少年に、悪の女王が言った言葉「太陽神が地上に創造し深く愛でた人間が、犠牲の生贄を出し、その代償に得たひと時の平和を享受する。汚れた手なら、洗い落とせばそれで済むとばかりに、知らぬ顔を決め込んで。それが生き物の正しい振る舞いか?」が心に残る。

人としてどう生きるべきか、宮部さんがこの小説に込めた2つ目はここにあるのではと感じた。 

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コメント

夕凪さん、こんにちは
「ICO 霧の城」は宮部みゆきさんの新作でしょうか。
近年はゲームに影響されたかのような作品が多いですね。「ブレイブ・ストーリー」もそのような感じでしたよ。それ以来読んでないです。(笑)
私は以前はファンでよく読んだんですよ。
中でも、「龍は眠る」「クロスファイア」「模倣犯」「魔女はささやく」は面白かったです。
宮部作品は身も震えるような事件を扱いながらも、女性らしい細やかな視点と温かさが魅力ですね。
登場人物の描写も的確で、実直な味のある老人と真に賢い少年が出て来ると、更に面白くなります。(^-^)ニコ

投稿: フィービーのしっぽ | 2006年6月 1日 (木) 11時28分

フィービーさん こんばんは
私も宮部さんの本が好きで、ほとんど読んでます。最初が「蒲生邸事件」でした。

途中から読後感を記録していますが、「蒲生邸事件」「魔術はささやく」「レベル7」が◎になってます。

この本は図書館で借りた単行本で確か3年前の発行だったと思います

「細やかさと、温かさ」同感ですね。人を温かく描いてますよね。
でも少年よりは女性の方がいいかも(笑)

投稿: 夕凪 | 2006年6月 1日 (木) 21時12分

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