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2007年4月 9日 (月)

がんと向き合って 上野創著

私の評価 ◎ 2007年4月読書

26歳の著者が突然『睾丸がん』の宣告を受け、翌日入院、明後日手術となった。既に癌は肺にも転移している最悪の状態。

本書はその著者の闘病記だ。客観的に自分を見つめて心を暴露している。
死ぬように苦しい治療で癌を克服しても、二度の再発を経験した。 本当に辛かったろうと思うし、現在6年間再発がないと最後に知って、心から『良かった』『おめでとう』と言いたい。

入院の当日、恋人がプロポーズした。『私がいるから絶対大丈夫』と。素晴らしい女性だ。きっと凄く怖かったろうと思う。
もし自分がそんな立場だったら、素直にそう言えただろうか? でも、そうして二人で戦うことで彼女自身も救われていくのが嬉しい。
最後に彼女の手記も掲載されているが、涙を誘う。

癌の治療は孤独だ。 結局は自分が戦わないといけない。でも、この本を読んで彼の命を救ったのは、恐らく彼女だと思う。勿論医者の治療は必須だが、自分の心に治そうという強い意思がなければこんな治療には耐えられないだろう。
その意味で、自分の病気=命を、二人の人生に変えた彼女の勇気は素晴らしい。

私も妻に随分助けられたし、宣告されてはじめて『自分の命は自分だけの物じゃない』と心から感じた。まだ完治とは行かないが、妻には心から感謝している。

この本は患者のみならず、医療関係者に是非読んで欲しいと思う。 医師の言葉に患者がどう反応するのか、病院のシステムと患者の心の関係を端的に示している。

例えば病室の問題。
私の前回の入院は個室だった。誰に気兼ねすることなく過ごせたし、妻もずっと付き添ってくれた。これはほんとに助かった。
著者のように4人部屋だったらと思うとぞっとする。私も著者のように眠れず睡眠誘発剤のお世話になった。でも個室だから、誰にも気兼ねせずに音楽は鳴らせるし、本も自由に読めた。4人部屋で悶々として、辛い治療で鬱になっていく彼の心がよく分かる。

最近倉敷で改築した私立病院の病室は全て個室とのこと。ほんと素晴らしいことだ。
私が今週入院する病院は独立行政法人(旧国立)、1,2年前に新築した病院だが、ほとんどが4人部屋。治療を単なる機械的なものとしか考えていないのではないかと思う。患者の心をもう少し考えてくれる病院が増えて欲しいものだ。

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今日はいい天気でしたね。 15時に退社しましたが、車の中はもう暑いくらい。

白のハナミズキの蕾が開きました。まだまだ色は付いてませんが。 同じハナミズキでも赤はまだ硬いまま。随分違うものですね。

Img_3095_2

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コメント

夕凪さんお久しぶりです^^

お身体のほうはどうですか?
治療のことを考えると憂鬱にもなられるでしょうけど
こんな素敵な写真(ふんわりとした空気感が映り込んでいて素敵です^^)
が撮れる夕凪さんにはきっとどんな病気もかなわないでしょうよっ!^^

今はまだ少し忙しいので無理なのですが・・
そのうち少し落ち着いたらまたブログを始めるかもしれません。
今度やるときは純粋に「写真ブログ」になると思います。
そのときはRAW現像の達人になっておられるであろう夕凪さんに
RAWのコツを教えてもらわなきゃっ(^^)

投稿: aki | 2007年4月10日 (火) 18時14分

akiさん いらっしゃい! 

嬉しいですね、戻ってきてくれて。落ち着いたら是非また再開してくださいね。
待ってますよ(^-^)

大先生のakiさんに誉めていただけるとほんと嬉しいです。有難う。 また色々教えてください。 RAWは先に勉強しておきますからね(^-^)

入院は鬱陶しいですが、病気には負けませんよ。安心してください。応援よろしく!

投稿: akiさんへ | 2007年4月10日 (火) 20時29分

この本の著者さんは新聞記者なんですね。
特集をやっている記事がHPにあり、読んでみたらわかり易くて
読みやすいので、今度読んでみようと思います。

投稿: ふみたろう | 2007年4月12日 (木) 00時07分

ふみたろうさん

そう朝日新聞の記者で、神奈川県版で連載していたそうです。

病気にはならないように気を付けてね。

投稿: ふみたろうさんへ | 2007年4月12日 (木) 16時03分

私はがん患者ではありません。「がんと向き合って」くぉ読みました。義妹がいま胆管がん再発で放射線治療を開始しました。
なだ70歳にはなりませんが、戦われた姿を読ませたいのですが、どれだけの神久呂と勇気をもって治療にあたっているか?がんに対する本人の考え方、対処の仕方どう向き合っているか?家族を含めてそこのところが分かりにくいので一人悶々としています。
10年ほど経過していて40歳を超えられていますが、その後上野さんはお元気なのでしょうか?教えてほしいと思います。
私のブログと同じなのに驚いています。
2013年10月8日記

投稿: miko | 2013年10月 8日 (火) 15時21分

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