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2007年10月 4日 (木)

男の一生(上、下) 遠藤周作著

私の評価 ○ 2007年9月読書

凄いタイトルに惹かれて手に取った本だが、確かに読み応えがあった。
生涯を豊臣秀吉に仕え、最後は勘気に触れ切腹で生涯を閉じた男「前野将右衛門」の一生を、ダイナミックに動いた時代と共に描いている。

となると単なる伝記のようだが、この小説の主題は人の世の儚さにある。著者は世代を超えても変わることなくとうとうと流れる木曽川と人の世を対比し、人生とは何か、幸せとは何かと訴えかけている。

将右衛門は木曽川のほとりで生まれ、少年時代を蜂須賀小六と共に過ごす。彼らの家を含めこの周辺の者は、戦があると勝者にあるであろう側に付き収入を得るような生活を送っている。
ある日彼らは、後の秀吉、籐吉郎と出会い、彼の実直さや面倒見のよさ、そして将来を見込み家臣になる。

それからの籐吉郎の活躍、昇進は周知の事実であり、読んでいてもどんどんページが進む。しかし籐吉郎が関白秀吉となった頃から、ページを繰る手も重くなった。

将右衛門は自分の立身出世が、人の命・人生を奪いながらなされていることに段々と苦しくなる。最愛の妻や家族と離れて戦に明け暮れる人生にも。
その心情の一部を、自らが愛した女性たちの苦悩の人生と重ね合わせて、人生の儚さを思う。

その苦悩を知る友は、キリスト教へと誘う。その教義を信じることは出来ないが、「死んだ後に神の国に帰る」という教えを、亡くなった妻や娘がいると信じる木曽川に帰ると思う将右衛門。
教義のためにあっさりと身分を捨てた高山右近や潔く死を受け入れた千利休と対比して、なぜ生きているかを自問しながらも、生や身分にしがみつく将右衛門の心が辛い。

近年、生きているのは遺伝子DNAであり、人はその道具に過ぎないと言う説も出ている。確かにたった70年くらいしか生きない人間であり、その間、子を生み育てて次の世を託す。
とすれば、DNAはなぜ生き続けようとするのだろうか?木曽川のように、ただ単に時の流れを流れているだけなのだろうか?

本当は木曽川の辺で家族と楽しく暮らしたかった将右衛門。しかし現実は、戦に明け暮れて得た昇進・身分を捨てることが出来なかった将右衛門。
人生とは幸せとは何なんだろうか・・・・読み応えのある本だった。

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ふーぅ、やっと木曜日・・・って感じです、今週は。

今日は、う~ん、そうだ、NOVAが解約してもまだ返金されていないとコメントが入ってました。 そういえば私もまだです(^-^)

7月の北海道旅行はこの返金を当てにして行ったので、小遣いがピンチになってきてます。 早く返してくださいよ~! NOVAさん。

Img_5005

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コメント

夕凪さんが「NOVA解約」の記事をアップされたのは7月初めでしたよ。今、遡って見てみました。コメントされた方々も未だ返金されない・・なんて書かれていましたね。
困ったものですね。
時々プッシュしておかないとね。

こちらは先ほどから、土砂降りです。

投稿: pocky | 2007年10月 4日 (木) 21時25分

新芽が健気ですね~^^
こういう草木の、生命力が大好きです。
樹というのは、きちんと自分の生きてきた、時間を内包してしますね。

長い年月のあいだに、何があろうと、根っこが枯れないかぎり、
また新芽を出して、生き続ける…。

遠藤周作さん、大好きな作家です。
彼の作品の根底に流れるのは、やはりキリスト教的な目線での
死生観ですね。

投稿: エルモリア | 2007年10月 5日 (金) 16時01分

美しいものを美しく撮る。そうではなく、秘かに、美しさを隠しつつ美しい。見る人にとっては美しい。そんな被写体が好きです。

朽ちながらも、木にしがみ付いているトマト。足を引きづりながらの野良猫の後姿。今日目に留まった私の被写体です。

投稿: hirobou | 2007年10月 5日 (金) 16時27分

pockyさん こんばんは

そうですよね、もう3ヶ月も経っているのに全然音沙汰なし。
もう会社自体が危ないのかもしれません。
でも、半分でも良いから返して欲しい・・・・当てにして使ってますからね(笑)

昨夜はこちらも少しだけ降りました。これからは一雨ごとに涼しさが増し、段々秋が深まっていきますね。

投稿: pockyさんへ | 2007年10月 5日 (金) 19時02分

エルモリアさん こんばんは

草木の生命力、これが撮れたらいい写真です(^-^) 少しでも近づきたいです。

今回の読書メモは長くなってしまいました。読んでいただき嬉しいです(^-^)
遠藤周作さんの本は、これで5,6冊目かな。好きな作家というわけではありませんが、いい作家だと思います。

投稿: エルモリアさんへ | 2007年10月 5日 (金) 19時09分

hirobouさん こんばんは

写真を撮り始めて1年が経ちましたが、人の目と、ファインダーを通しての目が随分違うことに気が付いてきました。

想像もできないような見え方がします。
それが楽しんですよね(^-^)

投稿: hirobouさんへ | 2007年10月 5日 (金) 19時12分

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